中国の外国人留学生、2年間閉め出し状態 ゼロコロナ政策の犠牲Photo:China News Service/gettyimages

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で、世界中の学生の生活は大混乱している。中国の大学に在籍しているにもかかわらず2年間にわたり同国から閉め出されている何十万人もの学生にとって、状況は特に複雑だ。

 サンドラ・ヘレラさん(27)は、2019年に大学院の奨学生となって北京入りしたことが、人生の中で最もエキサイティングな経験だったと語る。しかし彼女は7カ月もたたずに母国のエルサルバドルに戻った。今は14の時刻帯を隔てた場所で、劣悪なインターネット接続環境の中で、大学院でのMBA(経営学修士)の学位を得ようと奮闘している。

 中国では近年、1000近い大学で年間50万人近い外国人学生が学んでいる。中国の手厚い奨学金や安価な授業料が魅力だ。パンデミック前にはこうした学生の数が急増し、米国などの大学に留学する中国人大学生の数(年間約60万人)に迫っていた。

 中国教育省によれば、単に中国語を学ぶために1学期ほど中国に留学するのではなく、工学や科学などの修士号や博士号の取得を目指す外国人学生が増えているという。近年の留学生の中では韓国人が最大の比率を占めており、タイ、パキスタン、米国、インド、ロシア、日本、インドネシア、カザフスタン、ラオスからの留学生がこれに続く。

 だが多くの外国人留学生は現在、中国の「ゼロコロナ」政策の規制に強い不満を抱いている。学生の大半は中国から閉め出されているのだ。