厚労省と「日本除菌連合」のすれ違い

 実は厚生労働省は「次亜塩素酸水の空間噴霧」については国際的に評価方法は確立されていないとして、「推奨できません」という立場であり、コロナ関連の情報をまとめた厚労省サイトにもそう明記されている。WHOをはじめ医療界も同様のスタンスで、医療関係者の間では、効果に否定的な意見が多い。

 そこで、Buzzfeedニュースが厚労省に確認したところ、このリリースを「ミスリーディング」と見解を示した。

 が、今度はそれを除菌連合に伝えると、「感染対策としての次亜塩素酸水の活用については厚生労働省、経済産業省、消費者庁の代表と度重なる打ち合わせの結果今回の事務連絡の通達となっています」と回答して、このように主張が返ってきたという。

「次亜塩素酸水の活用におけるリスクとベネフィットにつきましては当然ベネフィットの方が勝っているというのが事実です。過去20年以上にわたり酪農業、農業、食品加工業、ホテル、介護施設、病院、学校、保育園、家庭などで使われてきた次亜塩素酸水は除菌消臭の効果で社会に貢献してきている一方で人命や健康に関わるリスクはほとんど報告がありません」(『厚労省が「空間除菌」を認めた? 業界団体が誤情報を発信。専門家は改めて注意喚起』21年12月14日

 つまり、Buzzfeedに対応した担当者の見解が間違いであり、「次亜塩素酸水の空間噴霧による除菌」は、厚労省、経産省、消費者庁もその効果と安全性を認めているものだ、というのだ。

 そう聞くと、「空間除菌」というものに否定的な方は、「こういう主張をするメーカーの製品にもクレベリンにやったようなガツンと措置命令を出せばいいのでは」と思うかもしれないが、消費者庁にはそれが簡単にできない事情がある。