これは、我慢するとか良い人ぶるということではありません。むしろその反対に近くて、「器メーターを取ってラクになる」というのが私の感覚です。器メーターを選んだ段階で、自分の世界の“自己満”に浸ることができます。

「はっは~ん、こういうイライラしているときに、俺は怒りの発散じゃなくて器メーターを取りました。前回も取れたし、次回も器メーターを取るから。はて、この器メーターを取る選択を3連続でできる男は、いるんですかね。世の中のピープルは気づいていますか、器メーターを3連続で取りに行った、そんな俺のことを」というイメージです。

相手を見下す処理のしかたとの違い

 怒りの収め方としてよくあるのが、相手を見下すというやり方です。意味わからんことを言われて、「この人かわいそうやな。こんなしょうもないやつ。相手せんとこう」といった具合です。

 それも悪くはないと思うのですが、オススメはしない。なぜなら、人を見下しにいくときは、相手にベクトルを向けて、そこでベクトルが終わっているからです。

 一方で、器メーターの管理は、自分から自分にベクトルを向けて、自分で終わっています。その面倒くさいやつがどうとか、そういう話ではなく、自分で向上してハッピーになっているので、こっちのほうが心の乱れが少ないんじゃないかと思います。

 ただし、器メーターの優先順位が低ければ、器メーターを取れないでしょう。

 要は、「いや、そんな器が大きい、小さいとかそういうことは、別に僕の人生というか価値観的にはどうでもいいことなんです」という人は、そもそも器メーターを取れないという話です。

 それはもちろん、価値観は様々だと思うのですが、私は器メーターの数値が高い人が格好よくて、その数値を上げることが人間的な成長だと思っています。

 そんなわけで、皆さんも器メーターの数値を5000上げたらベルマーク1個と交換できるので、それでトイレットペーパーでも買えばいいんじゃないかと思います。

 ちなみに私は野村證券時代、ライバルの同期の成績が良くて社内表彰されたとき、みんなで讃えて拍手をしていたなか拍手ができなくて、器数値を20億下げてしまいました。