「いま俺、あかんターン」から浮上する方法

 では、ありえない失敗をした、必死にやってきたのに身を結ばなかった、信じている人に裏切られたなど、「完全に終わった…」という思いに打ちひしがれたときはどうするか。

 私自身にはこんな経験があります。

 早稲田大学野球部時代、一軍入りを目指して死ぬ気で練習をして、ここで結果を出せば夢が叶うという練習試合で、ズタボロに打たれて表舞台に立てる可能性が0になった。

 野村證券の新人時代、まだ獲得していない営業数字を「月末には達成できるだろう」とホワイトボードに書き足し、結果、まるで達成できなかった。

 フルコミの保険営業になって昔の友達に連絡をしたら、嫌悪感をあらわにされた。調子良く続いていた紹介が減りはじめ、将来への不安やら情けなさやらに襲われた、独立1年目のあのとき……。

 もう、この世の終わりだと絶望しました。死ぬほど落ち込み、無気力にもなりました。

 でも正直に言えば、そんなときでさえ、心の奥底のほうでは「どこかで上がっていけるだろう」と感じていたのです。

前向きな自分と「あかんターン」の自分は別

 仮に、30歳で大失敗をして、「人生グラフ」がマイナス5000になったとして、そのまま90歳まで一生浮上せず終わるのかというと、そんなことはありません。

 いまはしんどくて消えてしまいそうだけれど、いずれは上がっていく。そう信じられるのです。なぜなら、「死ぬほどしんどくて廃人になっている自分」と「成長を信じて疑わない自分」を、完全に切り分けて考えているからです。

 超感覚的な話になりますが、これは廃人状態のときでも、「本当の自分とは別にもう一人、ただつらいと感じている自分がいる」というような感覚です。これをごっちゃにして廃人100%になってしまうと、浮上していくのが難しくなります。