定年まで働くなんて無理……生涯賃金2億円を株式投資で稼いでしまおう! そう決意した入社3年目、知識ゼロの状態から株式投資を始めた『割安成長株で2億円 実践テクニック100』の著者・現役サラリーマン投資家の弐億貯男氏。年間平均利回り30%で資産を増やし、当初の計画を前倒しで2億円達成! 忙しい会社員でも再現性が高い「100の実践ノウハウ」を徹底伝授!

【現役サラリーマンが株式投資で2.5億円】株式投資を20年続けてわかった株式投資の意外すぎる極意とは?Photo: Adobe Stock

じつは損切りばかりしているほうが
株式投資はうまくいく

私の保有銘柄のポートフォリオ(組み合わせと割合)は、株主優待狙いの銘柄を除くと、この先の成長期待で保有して含み益を抱えている銘柄ばかりです。

それは私の投資眼が優れているからではありません。損切りを早くすることを徹底しているため、含み益がある銘柄が残っているのです。

株式投資を20年ほど続けてきて、最近あらためて思うことがあります。それは、損切りばかりしている投資家のほうがうまくいっているということです。

個人投資家は、損切りが遅くなる傾向があります。それはおそらく、心理学でいうところの「損失回避バイアス」によるものでしょう。

ヒトは同じ金額ならば、利益よりも損失の痛みのほうを感じやすいため、損をする意思決定を避けようとする認知の歪み(バイアス)があります。そのバイアスの影響で、損切りで損失を確定させるよりも、「しばらく我慢しているうちに値を戻すかもしない」という淡い希望にすがりたくなり、含み損を広げてしまいやすいのです。

損切りをためらって保有し続けている銘柄が増えてくると、含み損を抱えた銘柄がポートフォリオに占める割合が少しずつ拡大してきます。それでは精神的にも良くありませんから、日常生活に支障をきたしかねません。

ポートフォリオをざっと見わたし、損切りできずに保有し続けている銘柄を見つけたら、思い切って売り切ってみてはいかがでしょうか。

「損失回避バイアス」により、損切りは少なからず心理的な抵抗感をともないますが、場数を踏んでいるうちに損切りの判断が抵抗なく、素早くできるようになります。

損切りを早め早めにできるようになると、1回あたりの損失額も減らせます。そして、保有銘柄のポートフォリオが含み益のある銘柄で満たされるようになれば、投資成績もおのずと上向いて好循環が生まれてくるでしょう。