地銀の持つ「自行のやり方」へのこだわりは、DX敗北への始まりPhoto:PIXTA

「デジタルの敗者」にならないために

 デジタル化の急速な進展に伴い、価値創出の源泉がフィジカル(現実)空間からサイバー空間へと移行し、社会を構成する企業はデジタル企業へと変革していくことが求められている。地方銀行とて例外ではなく、多くの地銀で、矢継ぎ早にデジタルトランスフォーメーション(DX)推進策を打ち出している。しかし、「なかなか思うように進まない」というのが、経営陣の本音ではないだろうか。

 こうしたなか、「日本の企業はDX推進の取り組みは行ってはいるものの、必ずしもビジネス変革につながっていない」という危機意識の下、2020年12月に経済産業省の研究会が「DXレポート2」 をとりまとめた。同レポートはその定義、推進上の留意点、中心となる人材の役割など、分かりやすく説明がなされている。同レポートを参考にした研究者・研究機関等からの関連報告書も数多く出され、日本における「DX推進の必読の書」と言っても過言ではない。

 本連載では、同レポートのうち筆者が特に重要と考えた論点を紹介した後、それに関わる地銀の現状と課題について筆者なりの見解を述べることとしたい。もちろん、先進的な地銀においては、そうした課題をすでに解決した上で、より高いステージでDX推進に注力していると推察するが、本連載ではあくまで一般的な地銀を前提に議論を展開する。