リスト常連企業6社の共通点は?
「ギャップ」「社会貢献」にも注目集まる

 いかがだろうか。これらの結果から、学生が注目している企業にはどんな傾向があるのかを考察してみよう。

 No Companyによると、直近1年間でエンゲージメントを獲得しやすかった記事は、「理想」「成長」「挑戦」などのキーワードが入ったものが多かったという。これは、新型コロナ禍が続く中、学生がテレワークなどをはじめ企業の「ワークスタイルの変化」に注目した結果と思われる。先行きが見通せない世相の中で、自分の働き方やキャリアに関するビジョンがマッチする企業かどうかを気にする学生が、増えているということだろう。

 では、エンゲージメント量が高かった企業は、どんな情報発信が学生の注目を集めたのだろうか。
まずは、リストの常連企業だ。マネーフォワード、メルカリ、サイバーエージェント、サイボウズ、アマゾンジャパン、グーグルの6社は、3年連続で上位200社以内に選出されている。これらの企業については、「働き方への先進的なイメージ」や、「そこで働くことへの憧れ」が、高いエンゲージメントに繋がったと考えられる。

 マネーフォワード、メルカリ、サイバーエージェント、サイボウズは、複数のメディアで「社員(元社員)が会社の姿や自身の価値観を語る記事」が高いエンゲージメントを獲得した。マネーフォワードでは、ワーキングマザーとしてキャリア形成する女性社員の記事、メルカリでは退職者が会社への感謝を語った記事が特に注目された。

 一方、アマゾンジャパン、グーグルからは社員に関する情報発信はほとんどなかったが、社会情勢にマッチした企業姿勢や事業内容、高水準の給与や効率的なワークスタイルなどが、学生の憧れとなったようだ。

 企業やブランドのインフルエンス力によって拡散されたケースもある。前澤友作氏が社員募集を発表したnote記事が注目されたスタートトゥデイ、人気VTuberの世界観づくりに関われることをフックにした社員募集をWantedlyで発表したカバーなどが代表例だ。