秋元里奈氏が就活生にエール「決まっている将来より、自分から未来をつくりにいこう」秋元里奈(あきもと・りな)/1991年生まれ。神奈川県相模原市出身。慶應義塾大学理工学部を経て、2013年にDeNAに入社。16年に一次産業支援ベンチャー「ビビッドガーデン」を創業。翌年に産直通販サイト「食べチョク」を開始。『Forbes』の「アジアを代表する30歳未満の30人」に選出。現在、TBS系列の報道番組「Nスタ」にコメンテーターとしてレギュラー出演中。

*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2022」の「Special Interview ネクストwithコロナの生き方・働き方」を転載したものです。

25歳のときに「株式会社ビビッドガーデン」を創業した秋元里奈氏。現在、生産者と消費者を結ぶ産直通販サイト「食べチョク」のサービスを展開し、好評を博している。起業した背景には、未来を自分でつくる強い意志があった。これから社会に出る就活生に向け、熱いエールを送ってくれた。

多くの会社が失敗してきた領域で
なぜ成功を勝ち取れたのか

 サービスリリースから約4年、生産者と消費者をダイレクトに結ぶ「食べチョク」のユーザー数は50万人を超えた。登録している生産者数は約5600軒、今や産直通販サイトとしては日本最大級の規模に成長した。これまで数あるIT企業が挑戦しては失敗してきた領域で、なぜ成功を勝ち取れたのか。その理由を、秋元里奈氏はこう語る。

「大きな理由はタイミングだと思います。ここ数年、メルカリをはじめとするCtoCのサービスが普及して、生産者もITサービスに慣れ、消費者も一般個人からモノを買うことに抵抗がなくなった。もう1つの要因は、一次産業に寄り添った提案をしてきた私たちの姿勢が、受け入れられたからだと思います。いったん信頼関係ができると、“このプラットフォームは信頼できる”と生産者が口コミで広げてくれるのです」

「食べチョク」の特徴は、こだわりのある生産者がつくった品質の高い作物を、適正価格で購入できる点にある。消費者は、生産者を応援しながら「美味しいものが、おトクに買える」。

 一方の生産者は、定期購入の固定ファンがつくことで収益の予想が立てやすくなり、市場価格に振り回されずに生産活動に取り組むことができる。双方がwin-winの関係になれるのだ。