*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2022」の「Special Interview ネクストwithコロナの生き方・働き方」を転載したものです。
25歳のときに「株式会社ビビッドガーデン」を創業した秋元里奈氏。現在、生産者と消費者を結ぶ産直通販サイト「食べチョク」のサービスを展開し、好評を博している。起業した背景には、未来を自分でつくる強い意志があった。これから社会に出る就活生に向け、熱いエールを送ってくれた。
多くの会社が失敗してきた領域で
なぜ成功を勝ち取れたのか
サービスリリースから約4年、生産者と消費者をダイレクトに結ぶ「食べチョク」のユーザー数は50万人を超えた。登録している生産者数は約5600軒、今や産直通販サイトとしては日本最大級の規模に成長した。これまで数あるIT企業が挑戦しては失敗してきた領域で、なぜ成功を勝ち取れたのか。その理由を、秋元里奈氏はこう語る。
「大きな理由はタイミングだと思います。ここ数年、メルカリをはじめとするCtoCのサービスが普及して、生産者もITサービスに慣れ、消費者も一般個人からモノを買うことに抵抗がなくなった。もう1つの要因は、一次産業に寄り添った提案をしてきた私たちの姿勢が、受け入れられたからだと思います。いったん信頼関係ができると、“このプラットフォームは信頼できる”と生産者が口コミで広げてくれるのです」
「食べチョク」の特徴は、こだわりのある生産者がつくった品質の高い作物を、適正価格で購入できる点にある。消費者は、生産者を応援しながら「美味しいものが、おトクに買える」。
一方の生産者は、定期購入の固定ファンがつくことで収益の予想が立てやすくなり、市場価格に振り回されずに生産活動に取り組むことができる。双方がwin-winの関係になれるのだ。