ロシア産天然ガスを運ぶパイプライン「ノルドストリーム2」を巡り、ドイツは承認停止を発表し、米国は建設担当会社に対する制裁を明らかにした。この2つの決定はいずれも、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ東部で分離派が支配する2地域の独立を承認したことを受けたもので、ドイツにとっては転機となる。ドイツでは歴代政権が過去30年間、自国のエネルギー市場をロシアからの供給に縛り付けてきた。ドイツは現在、方針転換を迫られているが、自国経済に大きな負担を強いる可能性がある。ドイツの天然ガス輸入の半分以上はロシアからで、欧州主要国の大半と比べて高い割合となっている。ドイツは2045年までに再生可能エネルギーに全面的に移行する計画を掲げており、原子力発電や石炭火力発電が廃止対象となる一方で天然ガスへの依存度が高くなっていることが背景にある。移行期間中はドイツは複数の場所でガス火力発電所の建設を予定している。
ドイツ、ロシア産ガス依存から転換へ
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