国際ハッカー集団のロシアへの攻撃

 ウクライナ側もやられてばかりではない。冒頭に書いた通り、国際的なハッカー集団アノニマスは、今回の軍事侵攻に対してロシアをサイバー攻撃する声明を2月26日に発表した。既に、ロシアに武器を提供するベラルーシの武器メーカー「Tetraedr」に対してサイバー攻撃を仕掛け、Eメールなど200GBに及ぶデータを盗み出した。さらに、2月28日にはロシアのガス会社へ侵入したとも宣言している。

Tetraedr社から200GBものデータが情報流出したというアノニマスのツイート。この会社はプーチン大統領がウクライナに侵攻する際に、後方支援を行った。Tetraedr社から200GBものデータが情報流出したというアノニマスのツイート。この会社はプーチン大統領がウクライナに侵攻する際に、後方支援を行った

 その一方で、ロシアを擁護するハッカー集団も登場した。アノニマスと同じく国際的に活動する匿名のハッカー集団「Conti」(コンティ)がロシア政府への全面支持を発表したとBleepingComputerが報じている。どこの国や政府とも同盟を結ばないとはいうものの、米国の攻撃によりロシア圏内の市民生活に影響が出た場合は全力で報復すると述べている。ContiはランサムウェアをRaaSとしてサービス提供し、近年世界各国の組織へ大規模な被害を与えている犯罪グループの一つである。Contiのものと言われるサイバー攻撃のハンドブックも確認されており、Contiが組織的な犯罪集団であることをうかがわせる。