ロシアによるウクライナ侵攻で、原油相場は2014年以来の高値水準に突入した。世界景気の減速を招きかねない原油価格の高騰は今後、落ち着くのだろうか。特集『混迷ウクライナ』の#3では、市場が恐れる原油相場の最悪シナリオに迫る。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
ウクライナ侵攻で
原油価格は100ドル突破
ロシアによるウクライナ侵攻で、世界の原油市場は供給減への警戒感から2014年以来の高値水準に突入し、慌ただしい動きを見せている。
侵攻が始まった2月24日、原油価格の国際的な指標である英国の北海ブレントは1バレルあたり100ドルを突破した。米国のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)も一時同100ドルを超えた。
その後、北海ブレントとWTIは90ドル台に下落したものの、ロシアの大手銀行などを国際決済網である「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から排除する欧米の追加制裁が決まると、再び北海ブレントは一時104ドルを超えた。