東欧ウクライナの情勢が緊迫し、ロシアも経済制裁の大きな打撃を受けることが確実になってきた。この状況は、日本企業にも大きな影響を及ぼす。建設機械の国内最大手であるコマツが、2月28日付で経営トップ直轄の緊急対策本部を立ち上げるなど、企業の間に危機対応の動きが広がっている。特集『混迷ウクライナ』の#4では、企業の動きを伝える。(ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)
緊急組織立ち上げ対策を急ぐ企業
日本企業の経営活動にも、ウクライナ侵攻の余波が及んでいる。まず生じているのは、現地の事業活動への直接的な打撃だ。
典型的なケースは日立製作所。IT子会社、米グローバルロジックのエンジニアリング拠点をウクライナに構えており、現地従業員の避難などの対策に追われている。同社は21年に日立が1兆円で買収したDX事業の要。世界2万4000人の従業員のうち7200人が同国にいるため事業への影響が懸念され、日立本体の株価の下押し材料になっている。
またロシアを市場として有望視してきた企業には、収益面での懸念が生じている。