海運バブル コロナ最高益の不安#7

ロシア北極圏でのLNG(液化天然ガス)採掘プロジェクトに深く食い込む商船三井。ウクライナ危機で追加の経済制裁リスクが高まる中、計15隻の運搬船を投じる事業の継続は可能なのだろうか。特集『海運バブル “コロナ最高益”の不安』(全8回)の#7では、リスクヘッジについて「防御は最大」と言い切る橋本剛社長にその根拠を聞いた。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

ロシア“クリミア併合”の年に参画発表
「成長を独占的に取り込めると考えた」

――ロシアがウクライナのクリミア半島を併合し、欧米や日本政府が経済制裁を科したのが2014年3月。そして、商船三井がロシア北極圏のLNG(液化天然ガス)を採掘する「ヤマルプロジェクト」への参画を表明したのは同年7月でした。

 実は、参画を公表する2、3年前から契約について社内で検討していました。ロシア政府やプロジェクトの中心であるロシアの天然ガス企業のノバテクは、非常に野心的な計画をさらに拡大していく考えを持っていました。

(北極海が氷に覆われる中での運搬で)技術的な難易度は非常に高いですが、もし参画できれば彼らの成長を独占的に取り込めると考えました。そこへ、ロシアのクリミア半島の併合という事態が起きたのです。