CAが一目置く人の「挨拶」の共通点、世界的音楽家がとったまさかの行動写真はイメージです Photo:BJI/Blue Jean Images/gettyimages

「きちんと挨拶しなさい!」。子どもの頃、誰もが親や先生に厳しく教えられてきた「挨拶」は、子どもだけでなくビジネスパーソンにも欠かせない礼儀の一つです。「挨拶」は円滑な人間関係を築くための基本的な礼儀ですが、社会人になるとできているようで実はおざなりになっていることが多いのです。今日は、ファーストクラスで出会ったエグゼクティブが実践している一目置かれる「挨拶」についてご紹介いたします。(CCI代表取締役・元国際線チーフパーサー 山本洋子)

挨拶をしない大人が多すぎる日本

 あいさつは漢字で「挨拶」と書きます。「挨」は押す、「拶」は迫るという意味があり、元々禅宗で「師匠が弟子に声をかけ、その返答を持って悟りを推しはかる」という意味で使われていた言葉ともいわれています。

 子どもの頃から挨拶の重要性を教えられ、誰もがそれを理解しているはずです。企業研修においても、新入社員のみならず管理職が対象の研修であっても重要なビジネスマナーとして「挨拶」は必ず再確認する項目です。CAの訓練においても「挨拶」は常に厳しく指導します。

 しかし、実際に意識して挨拶を行っている人は少ないのが現状です。

「機嫌が悪いと挨拶もしない同僚」「挨拶は目下の者からするものと思い込んでいる上司」など思い当たる人もいるのではないでしょうか。

 企業にビジネスマナーの研修に行くと、「うちの社員たちは挨拶をしない、挨拶ができない」と嘆いている経営者がいらっしゃるのですが、実は経営者自身もきちんと挨拶をしていないことが多いのです。社長にできないことは社員にできるわけがありません。自分ではきちんと挨拶をしているつもりでも、意外と相手には伝わっていないものなのです。

 ビジネスパーソンにとって、「挨拶もろくにできない」や「挨拶すらしない」というレッテルを貼られると、仕事の評価を落とすだけでなく、人としての評価も落としてしまうほど実はとても大切な礼儀なのです。

 CAとして多くのお客様に接しますが、挨拶はもちろん、返事のない方は多く、良い印象は持てません。そんな人が多い中、ファーストクラスに搭乗された有名な電機メーカーの会長と、誰もが知る世界的音楽家の挨拶は、心に残るものでした。