子どもの就活に必要なのは?
親がまず寄り添うこと

 少々脱線するが、実は私自身が就職活動に失敗している。

 就職活動した時期はバブル崩壊後の超氷河期!かつ団塊ジュニア!しかも女子!という三重苦で、当時はキャリア教育も全くなかったことから将来の目標もなく、大学の科目履修基準は単位が取りやすいかどうかで、成績も微妙、資格取得や就活準備も全くしない状態(そもそもやり方を知らなかった)で、適当にニコッと笑って頑張ります!と言えばどこかに内定が得られるだろうと、当時はやったミスコンに出場するのと同様の感覚で就活を捉えていて、武器を携えず丸腰で採用選考に挑んでいた。

 受けても受けても玉砕続きといった非常に苦労した経験から、早くから将来の目標を設定し、それに向けた準備をしておけばよかったと深く後悔し、1999年に中央教育審議会からキャリア教育が提唱、国の政策として本格的に進められたことを知り、キャリアコンサルタントの資格を取得した。

 若者には自分と同じ思いはさせたくないと、いつか大学教員となり、関わる学生には自身の失敗&自虐ネタを披露しながら、学生には主体的にキャリアデザインを描かせ、高校でも講演する機会があると将来を見据えた進路選択の重要性を伝えることが、ライフ・ワークとなっている。

 学業成績や本人の能力や意欲を度外視し、簡単に「大手企業に入れてください」と教員にお願いをする保護者には正直、違和感を覚えることもある。

 保護者には、昨今の就職環境の厳しさ、スケジュール、現時点で必要な準備、そして、子である学生自身がどういう業界・職種に就きたいのかを、まずは「聴くこと」を勧めている。

 注意点としては、当然学生より保護者の方が社会経験は長いため、子どもの意見が自分の意見と異なった場合、じっくり聴くことをすっ飛ばして、良かれと思ってアドバイスや自分の意見を押し付けてしまうのが多いこと。

 就職するのは学生自身であり親ではない。自分が行きたい企業や業界を、その理由や経緯、将来のキャリアプランも聴かず、真っ向から否定されると「もう絶対に相談したくない!」となる。