*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2022」の「親必読!就活戦線のいまとこれから」を転載したものです。
親世代の多くが就活に臨んだのは、バブル期から1990年代のこと。当時と現在では、就活のスタイルや内容は大きく変化している。それを知らない親は、子と一緒に就活戦線を戦うことはままならない。ここでは情報収集、インターンシップ、オンライン面接、内定獲得後の意思決定といった、特に重要な4つのポイントを解説する。(取材・文/古井一匡)
バブル時代とはかなり違う
息子・娘の就活常識
親が心得ておくべき「いまどき就活」の常識とは何か。特に重要な4つのポイントを紹介しよう。
第一に、就活本番は志望する企業についての情報収集からだ。これは今も昔も変わらない。ただ、親世代が就活をしていた頃は、分厚い紙媒体をめくって興味がある企業にハガキを送り、資料請求から始めるのが一般的。手間と時間がかかり、せいぜい30社程度に当たるのが限度だった。
しかし、いまやネットで簡単に情報収集でき、100社以上にプレエントリーシートを送付することも可能だ。むしろどうやって絞り込むかに苦労する。目移りしているだけでは前に進めない。
とはいえ、最初から絞り込み過ぎるのも問題だ。早い段階から、知名度やイメージだけで特定の業界や企業に焦点を絞ると、就活が窮屈なものになってしまう。その点について、アロー教育総合研究所の田嶋裕所長は次のように指摘する。
「最近目立つのは、情報過多で頭でっかちになっている就活生。極端な場合、あの会社はブラック企業だとか、自分の大学は学歴フィルターで就職は難しいとか、根拠不明な話を言い訳にして動こうとしない。うまくいくはずがありません」
良くも悪くも、20歳そこそこの若者の経験や知識には限りがある。その知見の範囲で志望企業を絞り込むのは、自らの可能性を狭めることになりかねない。