もともと中国人は井戸端会議が好きで、次の政治局常務委員にはどんな人が選ばれるか、などについても議論している人がいた。SNSが発達した2014~2015年頃からは、リアルな井戸端会議がSNS上に移行したといわれていた。

 SNSでのやりとりに夢中になり、SNS中毒になる人もいるほどそのやりとりを楽しんでいた人が多かったが、コロナ禍以降、コロナをほぼ封じ込めた習近平氏の求心力が強まり、SNSで自由に井戸端会議ができるような雰囲気はかなり減ってきている。

 本人は単なる政治談議のつもりでも、身の危険につながりかねない。「企業や学校で中国共産党の功績や習氏の思想などについて学ぶ政治学習会が行われ、それに参加しなければならない機会が増えている今、そんな“重い空気”が社会を覆いつつあると思います」と話す人もいた。