マンション価格が世界的に上昇
「持たざる人」がますます取り残される

 マンションという資産の価格が長期的に上昇していることは、先進国の都市圏では当たり前のことである。米国のニューヨーク、ロサンゼルス、英国のロンドン、シンガポール、中国の上海、香港など世界の主要都市は同じ傾向を示している。東京も国内外の人を吸引する力を持っている大都市なので、例外ではない。

 この価格上昇は持ち家率を下げることになるが、資産を持っている人の懐は痛まないため、資産を持っている人が過半数を占める中では容認されやすい。資産のある人たちにとっては、マンション価格が上昇しても、持っている株が値上がりしているのと同じで、含み益が増えるだけのことだ。そのため、いつでも資産を組み替える(家を住み替える)ことができるのだ。

 しかし、持たざる人はいつまでも持つ機会を失い、取り残されていく一方になる。

ウクライナ侵攻のさなかに
家を買ってもいいのか

 最近、よく受ける質問が、以下の2つだ。

「ウクライナ侵攻の折に、家を買っても大丈夫ですか?」
「株価が下がっていますが、不動産価格は下がりませんか?」

 どちらも愚問だ。そんなことを考えている人が多い中、需要が少なくなるときは、割安で買いやすい「買い時」であると回答している。

 こうした短期的な話ではなく、長期的に都市の不動産価格はどうなるかという視点で自宅を考えなければならない。50年以上生活するマイホームのことであり、1人がたった1つしか買えない人生最大の買い物なのだから、過去にあった法則性に従うべきで、絶対に失敗をしてはならないのである。もちろん、ここでは買わないという選択肢も致命的な失敗になり得ると肝に銘じてもらいたい。