2倍になったら半分売って、残りは封印

 筆者の知人の取り組みをご紹介したい。株価が2倍になったら半分売るのだそうだ。そうすれば、投資元本は回収済みなので、残った株券が紙くずになっても諦めがつく。そこで、残った株券は封印してしまうのだそうだ。

 30年間は絶対に売らないと決めて、大金持ちになった30年後の自分を夢見ながら毎日株価をチェックするのだそうだが、安上がりの趣味が実益も兼ねているのだから、立派なものだ。

 筆者なりの改革案も考えてみた。10万円で株を買い、3倍の30万円になったところで20万円分の株を売るのだ。10万円は投資元本の回収だから預金口座に戻し、残った10万円で別のハイテク株を買う。そうすれば、2銘柄のハイテク株を封印しておける。

 もちろん、先述の知人の場合には株価が2倍、筆者の場合には3倍になる直前に暴落する可能性もあるが、夢を追うためにはリスクを覚悟しなければいけない。何といっても宝くじ投資なのだから。

 ちなみに、筆者は宝くじ投資と呼んでいるが、宝くじの期待値が大幅なマイナスであるのと対照的に、ハイテク株投資の期待値はおそらくプラスである。株式市場の投資家は、宝くじの購入者とは異なり臆病な人が多いと思われる。だとすれば、ハイリスク・ハイリターンの投資は敬遠され、期待値ゼロの水準よりも安い値段に放置されている可能性が高い。

 本稿は、以上である。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織などとは関係がない。また、細部は必ずしも厳密ではない。