ひろゆきが語る「金儲けがうまい人、ヘタな人」決定的な違いひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

「正直者」は商売ができない?

 あなたは「正直者」でしょうか?

 正直者というのは、相手がどう思うかを考えずに「そのまま言っちゃう人」のことを指します。

 人として憎めない部分はあると思うのですが、残念ながら商売やお金儲けには向かない性格です。それについて語っていきましょう。

「それ、言う必要ある?」

 ある焼肉店でお肉を注文しました。

 出てきたお肉について、「これは交雑牛のもも肉です」という説明がされました。

 これを聞いて、「え、交雑牛って言う必要ある?」と僕は思っちゃいました。

 おそらく、正直になんでも言ったほうがいいんだろうと思って、「これは交雑牛です」と言ったと思うんですけど、それは言われた相手のことをぜんぜん考えていないですよね。

 だって、「交雑牛」という言葉の響きは、ぜんぜんおいしそうな感じがしませんから。

トークスキルが長けている人の「切り返し」

 商売がうまい人は、特に言う必要がないことは絶対に言いません。

 もし、「あえて言うこと」が武器になるのだとしたら、逆手にとって言うことはあるかもしれません。

 たとえば、「これ、実は見た目が悪いリンゴを集めてジュースにしています。でも、味は一級品なんです。だから、そのままお出しはできないんですが、ジュースにすれば安く美味しいものとして提供できるんですよ」というトークだとどうでしょう。

 見た目が悪いリンゴを使っていることを、うまく逆手にとってメリットに転換できますよね。

 こうやって、「悪いこと」をフリにして、うまくオチの部分を説明できるかどうかが、商売を成功させるコツです。

 テレビショッピングで引っ張りだこになるようなタレントは、こういう「切り返し」のスキルが長けていると思います。

 どんなデメリットを指摘されても、「それが魅力です」とか「あえてそこは力を入れていません」とか、言い方で切り抜けることができます。

 でも、正直者は、これが苦手なんですよね。デメリットを言われたら、それをそのまま「いやー、そうですよね……」と認めるだけで終わってしまいます。

 あなたも、そういうことに自覚がないでしょうか。もし、そうであるなら、うまくトークスキルを磨くか、いっそ商売は向いていないから辞めたほうがいいかもしれません。その判断軸として考えてみましょう。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。著書に、44万部を突破したベストセラー『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。