部分最適な発想だと
なぜ“ロス”が出てしまうのか

 チームの仕事も同じで、仕事全体がうまく流れるように、各業務を最適化させることが望ましいのです。これが「全体最適」であり、仕事をシンプルかつ合理的、効率的に進めるためのキモとなります。

 ところが、「部分最適」で考えてしまい、業務A、業務B、業務Cと単体で最高をめざせばいいという発想をしてしまうと、仕事はうまく回りません。各業務に注ぐ力と業務スピードを調整していかないと、全体がうまく回らないのです。

 部分最適で考えてしまうと、最高の効率を求めるはずが、さまざまなロスが出てしまうことになりかねません。このロスを出さないために、仕事の優先順位は、やはり全体最適を考えながら決めていくことです。

 たとえば、リーダーの重要な仕事の一つである、「人を動かす」ということを全体最適で考えながら、優先順位をつけていくと次のようになります。

 あなたのチームのあるプロジェクトは、Aさんがやっている仕事とBさんがやっている仕事、Cさんがやっている仕事で成り立っています。

 ならば、A、B、Cという各担当者が最大の力を発揮するためにどうすればいいのかを考える必要があります。

 たとえば、Aさんがプロジェクトの企画立案、Bさんが関係各所への働きかけ、Cさんが進行の管理を担っているとします。