すると、当然、まずはAさんに働きかけ、企画を具体化させることが大事です。そうしなければ、いくらBさんが機転を利かせて、各所と関係を築いたとしても、その労力が無駄になる可能性があります。企画全体の方向性が変われば、関係する人々も変わってしまうからです。

 また、Cさんが進行の予定を考えて提案したところで、企画全体の方向性が変われば進行も変わってしまいます。

 つまり、リーダーとしてやるべきことで優先順位が高いのは、「Aさんに企画を具体化するよう指示すること」となります。Aさんに対しては、それ以外の指示を捨てる、あるいは後回しにすべきなのです。

 このように、「全体最適」を考えることで、仕事の優先順位は変わってくるのです。リーダーは、常に全体最適で仕事を合理的に進めなければなりません。

「やらないことを先に決める」
という発想法

 リーダーというのは、当然ですが、多くの仕事を抱えています。

 しかし、それでもなんとかこなし、結果を出さなければなりません。

 そこで、「優先順位」とは逆の考え方をする必要がある場面も出てきます。

 すなわち「劣後順位」です。

 仕事に「劣後順位」をつけて、あえて「やらないこと」を先に決める、という選択をすることが、自分やチームの仕事をシンプルにするためには重要になってくる場合があります。

 では、「劣後順位」を決めるにはどうすればいいのでしょうか。

 特別なテクニックを駆使する必要はなく、まずは、抱えている仕事をすべてノートに書き出し、その次に、その中で「やらなくていいもの」の順番を考えることです。そして、「劣後順位」の中で、やらなくても結果に大きな影響がないと思えるものを先延ばしにする、あるいは思いきってやめてしまうのです。

 仕事では、先延ばししていいものや、あるいは、まったくやらなくていいものも事実、存在します。その仕事を見極めるためにはどうすればいいのでしょうか。