アルコールは水、米、野菜、肉や魚のように、生きるために必須なものではないので、食品ではありません。その人の好みで、飲んでも飲まなくても良いから嗜好品と理解されることが多いですが、脳と体への影響を考えるとれっきとした「薬物」です。

 つまり正解は「3」になります。

 ところが、この問いに正当できる人はごくわずか。自分でも気づかないうちにアルコールに依存していく背景には、こういった飲酒のデメリットに対する意識の甘さや誤解もあるのです。

 たとえば “お酒=薬品”という意味では「ストロング系飲料」などが分かりやすいかもしれませんね。

「ストロング系飲料」は「ひたすら早く酔いたい」というニーズに合ったお酒として人気沸騰中です。いわゆる缶チューハイの一種で、通常の製品に比べてアルコール度数が高く、おまけにコスパが高い、飲みやすいという、飲む人にとっての好条件がそろっていて、若い女性にも人気があります。

 同じ量(1本500ml)の製品でコスパを比べてみましょう。

ビール 285円・アルコール度数5%=アルコール1g当たり11.4円
ストロング系 163円・アルコール度数9%=アルコール1g当たり3.6円

 つまり同じ量のアルコールを3分の1の値段で買えるのですから、手っ取り早く酔いたい人に好まれるのは当然です。普通の缶チューハイのアルコール度数は高くても6%程度ですから、9%以上で低価格となれば、コスパに敏感な飲酒者は手に取りたくなるでしょう。しかもストロング系の多くはレモンやグレープフルーツ、オレンジなどの柑橘系のさわやかな味に仕上がっているので、「ちょっと一口」の気軽さで、たくさん飲んでしまうのです。

 ただし、その正体はお酒というより「危険ドラッグ」と言っても過言ではありません。