中身は「エチルアルコール+人工甘味料」という組み合わせで、「化学調味料を入れたアルコールのよう」という声もあります。ビールのように、発酵を経てじっくりつくられるものではありません。

 このストロング系飲料は、女性のアルコール依存症者が増えていることの一因だとも言われています。

お酒との付き合い方を見直すには?

 薬物にしてもギャンブルにしても、何かにハマっているときは、その依存する対象のメリットだけに焦点が当たっています。

 アルコールなら飲んだ時の快感や高揚感といった報酬に意識が向いていて、その有害性や副作用、つまりデメリットは意識しません。ですが、物事には何でもメリットとデメリットがあり、選択を誤らないためには両面を見る必要があります。

 アルコールを摂取することについては、(1)お酒を飲むメリット、(2)お酒を飲むデメリット、(3)お酒をやめるメリット、(4)お酒をやめるデメリット、という4つの側面から観察すると、これまで気づかなかったり、目を背けていたりしたことがわかり、従来の考え方を変えるきっかけになります。

 お酒に対する見方を変えるこの方法は、禁酒の治療の際にも使われています。簡単な「認知行動療法」のようなもので、お酒を飲み続けるメリット・デメリット、お酒をやめるメリット・デメリットをすべていったん一つのテーブルに上げ、4つの側面から平等に観察してみるのです。

 記録して観察した結果、もし「お酒を飲まないメリット」が「お酒を飲むメリット」を上回り、「そうか、飲まないの方が健康でいられるんだな」と思えば、「ならば、やめてみよう(減らしてみよう)」と、禁酒や減酒への流れをつくりやすくなります。

 そうしたら、さっそく具体的な目標へ向かって禁酒をスタートするという段取りです。