禁酒の成功に欠かせない2つの行動

「禁酒術」の事を専門用語では「ハーム・リダクション」(直訳すると「酒害軽減」)といいますが、これを禁酒と減酒の組み合わせで実現していきます。この後も禁酒と減酒の両方について扱いますが、この二つを切り替えて行うこともあると理解しておいてください。

 その人の目標とする状態になるには減酒で十分なのか、禁酒が必要なのか?

 また、どちらの成功率が高いのかは現状を評価して考えるべきですが、実際に行動してみてわかることもあります。減酒で始めて禁酒に切り替える人、逆に減酒と禁酒を交互に行う人など様々です。

「自分の酒量やリスクが今どの程度で、今後どうしていきたいか」

 このような現時点の状況と目的を明確にします。そして、アルコールを「薬物」と認識したうえで、酒害を軽減するために生活環境を整え、計画的に実践していきましょう。まずは目標に向けたベースづくりをするのです。

 まず、禁酒を成功に導くために必要な行動は次の二つです。

・「見える化」する
・「宣言」する

 これだけで成功率は格段に上がるといっても過言ではありません。

 禁酒における「見える化」とは、日記をつけて記録を取ることです。また、「減酒」をする人は目標の飲酒量などを決めた上で、「いつどこで何をどれだけ飲んだか」「目標が達成できたか」などを記録(レコーディング)していきます。

 人間の脳は変化に関心が向くようにできているので、「こうしたらこうなった→じゃあこうしよう」という方向に動いて、やる気にスイッチが入るのです。しかも目標を達成できたときの「○」や「◎」などの印が増えれば、もっと続けたくなります。記録すること自体が面白くなってきたらしめたもので、見える化の効果は意外に大きいのです。