「自分らしいやり方」「優れたやり方」「別のやり方」のバランスが大事

――あっという間にお時間になりました。最後に、読者の方にお伝えしておきたいメッセージがあればお願いします。

箕輪:ほぼ本を読まない若い人、10代から20代前半の人に読んでほしいですね。内容的に難しい部分もありますが、読むと世界の作り方やその底流に流れている思想みたいなものが理解できる。たぶん、そこにもっとも共感できる世代がその世代です。20代後半から30代でも、若い心を持っている人たちにも読んでほしい。彼らが世界を変えるのは生態系を新しく作ることだと考えるようになると、非常に面白い世界になっていくのではないかと思っています。こういう新しい世界が好きな人にも読んでほしいですね。だから、表紙もちょっとSFっぽい、現在ではない世界に行きたい人が手に取ってくれるようなイメージにしたんです。

――この本を読んで、自分の子どもが置いていかれないように、親側の価値観を押しつけないようにしながら育てていきたいと強く思いました。

箕輪:そう。でも、よっぽどの天才じゃない限り、社会的に評価されない可能性がありますから。そこはバランスですね。

――優れたやり方もちゃんと鍛えなければならない。

佐藤:たしかに。「自分らしいやり方」と「別のやり方」だけだと、ひとりよがりになる。それでも、テクノロジーを友だちのように感じてくれる若者が増えれば、チャンスが広がると思っています。テクノロジーだけが、今後の不確実な時代のなかで需要が増すもので、唯一の方向性だと思うんです。経済は読めないし、社会も読めない。宗教でも神を信じられなくなってきているなかで、テクノロジーだけをみんなが信じている状態になる可能性があります。今後の未来の需要に関して、あらゆるものをテクノロジーが吸収してしまうのではないか。そのような状況のなかで、もっともチャンスをつかむ人たちというのは、キャプテン翼が「ボールは友だち」と言ったように、そういうレベルでテクノロジーを友だちと考える感覚を持てる人です。そんな人が増えればいいなと思いながら書いていました。めちゃくちゃ難しく、めちゃくちゃ抽象的ではあるんですけど、身近に感じてもらってそれを使いこなす人が増えれば嬉しいですね。

平尾:勇気づけられますね。箕輪さん、ラーメン屋さんにも別解力を使ってくださいね。

箕輪:え? ラーメン屋にも使えますか?

平尾:いいと思いますよ。店長さんとかにぜひ読んでいただきたいですね。今日はお忙しいところ長い時間ありがとうございました。

佐藤・箕輪:ありがとうございました。

「自分が最先端だと勘違いしている人」と「テクノロジーを使いこなせる人」との決定的な違い

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第1回 自分らしさを殺さずに、相手の望むものを差し出すには
第2回 「何者になりたいのか?」しか価値がない時代の仕事の仕方
第3回 超天才起業家が「赤ちゃんになりたい」と熱弁する理由