「自分でやる」から
「人を動かす」働き方へ
とはいえ、「プレイングマネジャー」というのは、自分で選択したのではなく、会社から与えられた立場なので、なんとかこなす以外に道はないのでしょう。
そのためにはどうするか。
プレイヤーとしての仕事をできるだけ減らし、マネジャーとしての仕事に比重を置いていく方向にシフトチェンジすべきだと考えます。
ハーバード大学のコッター教授は、「マネジメントの本質は、組織をコントロールすることである」と述べています。
リーダーとして評価されたいのなら、あなたはプレイヤーとしての仕事を減らし、組織のメンバーをコントロールすることに力点を置くべきです。
もし、会社から「プレイングマネジャー」の役割を与えられていたとしても、リーダーの地位にあるのなら、評価されるのはマネジメントの成果である、ということを強く認識すべきです。
実際、マネジャーの中には、自分一人で仕事を進める力に長けている人が多いものです。メンバーに任せず、全部自分でやったほうが仕事は早いですし、質も高いのです。
しかし、これはプレイヤー思考であり、できるリーダーになりたいのなら、この考え方は捨てなければなりません。プレイヤーのときは、自分さえ結果を出していればいいのですが、リーダーになるとチームで成果を出さなければ評価されないと肝に銘じてください。
なんでも自分でやってしまえば、当然、膨大な量の仕事を抱えることになりますし、メンバーも育ちません。
メンバーが育たない限り、チーム全体の能力は高まりません。すると、あなたはいつまでたっても、プレイヤーとして結果を出しながら、マネジメントでも結果を出さなければならないので、いつか必ず挫折してしまうことになります。