ドル円「130円台」到達の可能性はあるか、4-6月期の為替相場の注目点Photo:123RF

4-6月期の主要国通貨見通し
欧州通貨の反発と米ドルの上昇

 22年1-3月期は、ウクライナ情勢の緊迫化とロシアによるウクライナ侵攻開始によるエネルギー価格高騰や、ロシア・東欧地域経済の悪影響を受けやすいユーロなど欧州通貨がアンダーパフォームしたのが特徴的だった。

 一方、米ドルは、米連邦準備制度理事会(FRB)の連続かつ大幅な利上げ期待が高まるなかで上昇した。また豪ドルなど資源国通貨は、ウクライナ情勢の悪化による経済への悪影響は限定的であり、むしろ銅や鉄鉱石といった資源価格の上昇の恩恵を受け、米ドルよりも上昇した。

 ロシアのウクライナへの侵攻においては、ウクライナの徹底抗戦と欧米等からの武器供与によりロシアが苦戦をしており、ウクライナの首都キエフがロシアに制圧される可能性が低下した。ロシアは、軍事目的を東部ドンバス地方の制圧にシフトしたが、停戦交渉で有利な条件を引き出すためキエフなどへの攻撃を続けるとみられる。

 ロシアは、軍事的苦戦と欧米諸国による対露経済制裁により軍事的、政治的、経済的に追い詰められつつあり、4-6月期中にウクライナと停戦合意にいたる可能性が高まっている。ロシアで重要な祝日とされる5月9日の戦勝記念日(1945年、第2次世界大戦でソ連がドイツに勝利した記念日)は、停戦が合意されるめどの一つとされる。

 このため4-6月期は、ウクライナとロシアの停戦を睨んだユーロやスウェーデンクローナなど欧州通貨の反発基調が続くほか、米ドルやカナダドルは、利上げペースの加速期待を背景とした金利上昇とともに上昇しやすいだろう。豪ドルやニュージーランド(NZ)ドルなど資源国通貨は、銅や鉄鉱石などの資源価格の上昇継続を背景に上昇が続こう。