薄毛、白髪、フケ、かゆみ…。髪の悩みは、ときに人生を変えてしまいます。誰かに相談するのも勇気がいり、巷にたくさんある育毛法は、どれが効果的なのかわからない…となりがちです。『髪が増える術 成功率95%のプロが教えるすごいメソッド』(ダイヤモンド社刊)では、これまで5千人の髪や頭皮の状態を改善してきた髪のプロが、「カラダの内側から髪を元気にする」メソッドをすべて紹介しています。本記事では、著者である辻敦哉氏に髪にまつわる噂について聞きました。
円形脱毛症になったら
「カラダのSOS」を疑おう
──そもそも、円形脱毛症の原因は何なのでしょうか? よくストレスとは言われますが……。
辻敦哉(以下、辻):円形脱毛症はストレスが原因で発生することが多いのは事実ですが、円形脱毛症や他の脱毛症もまた、自己免疫疾患と考えられています。私自身の経験からも、それは同じ考えです。
そして、円形脱毛症の原因は、『不自然なこと』をカラダのSOSと捉えずに、慣れてしまうことで、自らの健康状態を損ねた場合に起きることが多いです。
──男女はどちらの方が多いのでしょうか?
辻:私の経験では、女性の方が多いです。円形脱毛症は現代医療においても明らかな原因がないことが多いとされ、治療ガイドラインはあるものの明確な結果には結びついていません。そのため、ここからは、あくまでも私の考察の範囲でご説明させていただきます。
円形脱毛症に女性が多い原因は、女性の社会進出による影響ではないか?と私は考えているのです。
人間の脳は、大きく分けて、男性脳タイプと女性脳タイプの二つに分かれていると言われています。女性脳とは感性や芸術に強みを持つ右脳タイプ、男性脳とは、理的思考を得意とする左脳タイプ。
家庭の中であれば、女性も男性も長所を生かし短所を補う関係が成立しますが、現代のビジネス社会は、論理的思考の男性脳のルールによって、物事が推し進められることが多く、女性にとっては得意を活かしにくく、苦手な面で評価されてしまうといったストレスも関係があると思います。
──円形脱毛症を発見したとき、まずは何をすべきですか?
辻:毎日、脱毛部位の大きさを見て不安を増幅させる人は、脱毛が悪化することが多く、『髪で隠れる場所だから良かった』と言っている人の方が治るケースが多いので、難しいことは承知ですが、なるべく気にしないように努力することが大切です。
──円形脱毛症の人は他の症状も出やすいのでしょうか?
辻:私が運営する、辻式脱毛症研究所には、『風邪症状のない継続する微熱』を経験している人が多くいます。これも不自然なことですが、原因を分からないままにしている人が圧倒的に多いです。
まれに、口内にある銀歯によってアレルギーが引き起こされているといった報告もありますが、私はそちらのほうが珍しいのではと思っています。
──長期的に見て、円形脱毛症を改善させたり再発させない方法はありますか?
辻:原因に心当たりがあれば、可能な限り改善に努めることですが、それが困難であったり、心当たりがない人は、今ある体調不調の改善や、没頭できる趣味に時間を使ったりすることがおすすめです。
今までのルーティンの上で、今の脱毛症があるわけなので、そのルーティンを変えることを心掛けてみてください。
たとえばですが、低体温の人が体温を作り出す食生活に変えるだけでも、改善の機会はありますし、運動しなかった人が運動する習慣をつくるだけでも同様に効果的です。
1979年、埼玉県浦和市生まれ。埼玉県理容美容専門学校卒業、東京文化美容専門学校卒業、ロンドンTONI&GUYアカデミー修了。2006年リヴォーン株式会社入社。シブヤ西武「THE REV-OWN」店長、営業推進部長を務め、ヘッドスパのゴッドハンドとして業界を賑わす。その後独立し、2011年にヘッドスパ専門店「PULA(プーラ)」をオープン。あっという間に半年以上予約がとれないほどに。著書累計12万部を超え海外でも出版。現在は、プーラ式ヘッドスパ専門として全国展開しており、神奈川、埼玉、栃木、愛知、大阪、神戸に展開中。2022年6月、東京都立川周辺に出店予定(https://www.spa-pula.com/)
本記事の医事監修:泉さくら(いずみ・さくら)日本皮膚科学会皮膚科専門医。
琉球大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。