1位、2位は意外にも「東大」
コンサル4社がトップ10入り

 第1位となったのは21年も東京大学で、これは185人とダントツだ。そしては20年は20位だった東京大学医学部附属病院が、21年には2位へジャンプアップしている。つまり、1位と2位の就職先がどちらも東大関係という結果になった。前者の内訳は分からないが、研究員などが含まれるとみられる。

 優秀な人材がこれだけ大学に残る理由は、研究や労働環境が恵まれていることに他ならないが、長引くコロナ禍によって就職活動をセーブしたり、企業への就職を様子見したりする学生が増えた可能性もあるだろう。

 一方、コンサル人気はさらに高まっている。第3位がアクセンチュア、8位がPwCコンサルティング、9位がマッキンゼー・アンド・カンパニー、10位がデロイト トーマツ コンサルティングと、トップ10のうち4社をコンサルが占めている。

 事業会社では、アクセンチュアと同率で3位に入ったソニーグループが相変わらずの人気。ここ数年で同社は劇的な業績回復を遂げ、苦境の電機業界で数少ない勝ち組へと舞い戻った。公平・公正を目指す人事制度や、実力主義的な働き方が学生に注目されており、今後も安定的な人気を続けそうだ。

 ちなみに、前述のコンサルや10位の中外製薬など、ランキング上位にはやはり働きやすい環境整備で注目されている企業が多い。優秀な学生を採用するうえで、コロナ禍を経てますます注目される「働き方改革」を、企業はもはや無視できないことがうかがえる。

 そのほか、大手金融、商社、自動車など、従来から多くの東大生が就職していた企業の人気も、引き続き健在。東大生の就職先としてイメージされやすい官公庁については、経済産業省と日本学術振興会が同率で18位にランクインした。

 日本の最高学府の学生たちの就職動向は、自分にとっての将来性を見据えた業界・企業選びに悩む就活生にとって、参考になりそうだ。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

【ランキング表の見方】
2021年春の大学別の主な就職先。就職先(企業・団体)の名称は、原則としてアンケート調査時点の各大学の回答による。また、大学通信の調査方法によって表記しているため、正式名称と異なる場合がある。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。東京大学は「東京大学新聞」より集計、大学院修了者を含む。
(調査/大学通信)