公務員人気は継続
楽天が圧倒的な強さ

 まず、上智大で1位となったのは前年に続いて楽天グループだった。上智は楽天以外にも2位KDDI、4位NTTデータと情報通信業界に強い。また上位には、日本IBM、日立製作所、富士通などの電機や、東京海上日動火災保険、みずほフィナンシャルグループなどの金融が多い。虎の門病院、東京都、上智学院(上智大の運営元)など民間企業以外への就職者も一定割合おり、就職ではまさにオールラウンドな強さを見せつけている。

 明治大は、学生の就活支援を積極的に行うことで有名だ。特徴的なのは、公務員を志す学生が非常に多いことである。前年2位だった国家公務員一般職が、今年は1位へとランクアップ。就職者数は70人とダントツで、2位の明治安田生命保険に32人も差をつけている。続いて、4位東京特別区、7位東京都庁、11位国税専門官となっている。

 同大も楽天への就職者が多く、SCSK、TIS、NECソリューションイノベータなどSIer(システムインテグレーター)が多いのも目を引く。

 青山学院大も、上智大と同じく楽天グループが1位。前年1位は全日本空輸(ANA)で、英語力の高さがウリの青学生は例年航空業界への就職に強かったが、コロナ禍の採用抑制でランキングの顔ぶれにも影響が出たようだ。保険業界の人気は相変わらずで、上位5位に日本生命保険、明治安田生命保険、東京海上日動火災保険と3社もランクインしている。

 次に立教大だが、なんとこちらも1位は楽天グループとなった。前年1位だった東京都特別区は今年2位となり、7位国家公務員一般職、9位東京都教員と公務員人気が継続している。青学と同じく、保険業界への就職も強いようだ。

 有名私大の中でも特に官公庁への就職が目立つのが、中央大と学習院大である。中央大ではトップ2を公務員が占め、1位東京都庁、2位国税庁となった。13位には神奈川県庁、警視庁が入っている。中央大では、大学自らが公務員を目指す学生をサポートしており、専門の講座やセミナーを開催しているという。

 一方の学習院大は、1位が東京23特別区人事委員会。10位以内には東京都教育委員会、埼玉県市町村、千葉県市町村が入り、公務員人気の高さは群を抜いている。現在は特殊法人だが、日本年金機構も8位にラインクインした。

 法政大と東京理科大の学生の就職先は、どちらかといえばバランス型だ。官公庁への就職も見られるが、立教大、中央大、学習院大などと比べると割合は少なく、民間企業への就職がメインとなっている印象だ。

 法政大は1位富士ソフト、2位りそなグループ、3位明治安田生命保険と、業界は多岐に渡っている。山崎製パン、ニトリ、三井不動産リアルティなど、他大学ではあまり見かけない企業にも一定割合の学生が就職している。

 東京理科大は1位が日立製作所となった。2位以下を見ると、NTTデータ、富士通、NECソリューションイノベータ、ソニーグループ、パナソニックと、やはり技術系の企業が大半を占めている。今回紹介した有名私大の中で、大学と就職先のイメージが最もマッチするのは理科大といえないだろうか。

 ここまで見てきたように、主要私立大の就職先には大きく2つの特徴がある。1つは民間企業における楽天グループ人気の高さ、もう1つは公務員人気の高さだ。

 楽天グループについては、製造業に代わって日本を牽引する存在の一角となった情報通信業界において、日本最大のECサービスを展開している同社に、難関大学の学生は将来性を感じているのかもしれない。実は、今回紹介した以外にも楽天への就職者数が多い大学はいくつも存在し、私立大では早稲田大において3位、国立大では一橋大で1位、大阪大で2位となっている。

 また公務員人気については、かねてより学生の安定志向が強まっているといわれる中、コロナ禍で民間企業の先行きに不透明さが増していることが、拍車をかけたのだろう。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

【ランキング表の見方】
2021年春の大学別の主な就職先。就職先(企業・団体)の名称は、原則としてアンケート調査時点の各大学の回答による。また、大学通信の調査方法によって表記しているため、正式名称と異なる場合がある。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。立教大・学習院大以外は大学院修了者を含む。(調査/大学通信)