いうまでもなく、人の性格や考え方は十人十色。自分の「感覚」だけでとらえるのではなく、「この人は、どのような人なのか? どういうアプローチが効果的なのか?」という、第三者的、客観的な視点を持たなければなりません。

 今回は、自分の「主観」や「思い込み」を捨てて、より客観的な視点から「人を動かす」方法について、お話ししていきます。実践しやすいシンプルな方法を厳選しましたので、ぜひ活用してみてください。

「5つのタイプ別」
シンプルな部下指導法

 アルフレッド・アドラーは、人生には、次の3つの課題があるといっています。

「仕事の課題」「交友の課題」「愛の課題」

 この3つの課題に共通することは、すべて「人間関係」に関連するということです。そして、人間関係は、その距離が近くなればなるほどこじれ、複雑化し、解決は困難になることが多いものです。

 人間関係は、年齢、性別、性格、価値観、環境……など、多くの要素がミックスされて、出来上がっています。普段あまり意識しないかもしれませんが、特に仕事の人間関係は、とても複雑な要素が絡み合っているのです。

 人のタイプを分ける方法には、さまざまなアプローチがありますが、あまり細分化しすぎても混乱するだけなので、私は、特に仕事に関連しては、いつもシンプルに、次の5つのタイプに分けます。

批判的な人

 会話をしていると、いつも否定的な意見をいう人がいます。こういう人は、批判的なタイプだといえます。

 このタイプは、職場で何か起きたときや、あるいは新聞やテレビなどのニュースで何か不祥事やスキャンダルの報道がされたときなどに、「これはひどい。おかしい。間違っている!」と批判するような人です。