最高のリーダーとは、仕事をシンプルにする力がある人のことです。花王での26年間の経験をもとに、現在はコンサルタントとして経営層・幹部研修などで数多くのリーダーを指導する阿比留眞二氏の新著『最高のリーダーは、チームの仕事をシンプルにする』からの抜粋で、仕事をシンプル化し、それを確実に実行して結果を出す「課題解決」のメソッドをレクチャーします。
部下をうまく動かすには
性格や特性を見極める
リーダーの役割は、チームのメンバーを動かし、結果を出すことですが、多くのリーダーが、なかなかうまく人を動かすことができないという問題を抱えています。
リーダーの地位を得た人は、権限があるため、自分の「私情」で人を動かそうとしてしまいがちです。
しかし、リーダーというのは、会社に「滅私奉公」をしなければならないのです。
これは、「自分を捨てろ」という意味ではありません。「私情」を捨てて、「チームにとって正しいこと」を優先しなさい、ということです。
リーダーというのは、常に会社全体の成長・成功に寄与する存在でなければなりません。これは人の上に立つ人の原理原則なのです。
「私情」を捨て去り、そのうえで、部下の性格や特性をよく見極め、自分の意図する方向に、部下が自発的に動くようにアプローチする──それが、一流のリーダーなのです。
人を動かすのは容易ではありません。人を動かすためには、相手のことを観察し、どんな性格なのか、どんな特性があるのかを正確に見極める力が必要です。そのうえでコミュニケーションを取っていく必要があります。