大林組の創業地・大阪強化で動いた「副社長2人」が次期社長候補になる理由Photo by Tomomi Matsuno

大手ゼネコンである大林組の次期社長候補として名前が挙がる副社長2人は、どちらも創業地である大阪に近年送り込まれている。大阪赴任と次期社長レースが結び付く背景には、同じ関西出身である竹中工務店との「竹林バトル」がある。(ダイヤモンド編集部 松野友美)

大阪経験がある副社長2人が
なぜ次期社長候補なのか

 ゼネコン最大手の大林組は、2022年3月期の第2四半期決算で通期業績予想を大幅に下方修正した。その責任を取る意味で、取締役と損失発生の執行ラインに関係する執行役員は21年12月から3カ月の月額報酬の一部を返上した。

 業績悪化の傾向からは、まだ抜け出せていない。第1四半期以降、今年2月に発表した第3四半期決算までの累計も芳しくないのだ。

 業界全体が都心の再開発など大型工事の計画が減る端境期で他社の業績も停滞してはいるが、大林組の業績悪化については仕事の選別や当初の見積もりなどに無理があったと見る業界関係者が少なくない。となると受注戦略を担った経営陣に少なからぬ責任はあるはずだが、4月の人事で大きな入れ替えはなかった。

 トップ人事でどのような判断がなされているのか。また、創業地である大阪で経験を積んできた副社長2人が次期社長候補として名前が挙がっており、なぜ彼らは有力候補とされるのか。次ページでトップ人事事情を明らかにする。