日米協調介入協議の報道
財務省は明確に否定
4月27日、日本銀行が大規模な金融緩和を継続する方針を示したことで、ドル円相場はついに130円台に突入した。
その1週間前となる4月20日のG20、G7財務相・中銀総裁会議および21日の日米財務相会談では、日本が有する円安懸念を国際社会も共有するというメッセージが出されなかった。しかし22日に、「日本のある政府関係者が取材に対し、日米財務相会談で協調介入につき協議したことを認めた」、「米国側は前向きに検討してくれるトーンだった」といった報道が流れると、協調介入リスクが意識されてか、ドル円は128.50円前後から127.74円に小幅下落する場面があった。
もっとも、こうした報道こそが、協調介入が具体的に計画されていないことを示唆したかたちとなった。仮に日米が協調介入を実施する場合、介入は日米両政府間での重要な政治的合意に基づくものとなり、その効果を最大化するために、財務相談話や共同声明が用意され、その情報が厳密に管理され、市場参加者にサプライズとなるタイミングで実施されるはずだ。
協調介入の実施が事前に漏れてしまっては、協調介入の効果が矮小化され、米国からの信頼を失うことになる。効果の最大化を願う関係者なら情報を漏らすはずがない。実際、鈴木財務相は26日、「為替介入を議論との報道は事実に反する」と否定した。