OJTは「計画的指導」と「機会的指導」の違いを理解・意識する

 OJTには、二つの指導があります。一つ目は「計画的指導」で、育成対象者がいつまでにどうなってほしいのかという育成プランに沿って計画を立てることです。たとえば、「3カ月後には一人で○○の業務ができるようになること」という目標のためには、いつまでにどんな教育を受けて、何がどれくらい習得できたかをどのように数値で測れるかを明確にする。その立てた計画にのっとって指導をしていく……これが計画的指導です。

 一方、「機会的指導」とは、実際に部分的にでも仕事をやらせてみた時、うまくいかなかった機会を見つけて、その場で指導することです。最初は計画的指導に沿ってやっていきますが、ある程度理解ができたら、仕事の部分的なところを切り出してやらせてみます。その時に、よかった点、改善すべき点を伝えるためにフィードバックを行う、それが機会的指導となります。

 新人に実際の仕事をさせるようになった後でも、機会的指導は発生するということです。その上で、うまくいっている点は褒め、改善が必要な時には具体的にどうしたらいいのか指導します。しかし、テレワークではこの機会的指導がやりづらいのです。仕事の結果だけ見て、後からフィードバックすることになりがちなので、途中のプロセスが間違っていても気づきにくいのです。

 だからこそ、機会的指導をするための場面は、あえて意識して作っていくことが大切です。機会的指導の機会を盛り込むことを忘れずに、育成計画を立てて取り組んでみてください。