子どもが増えるので家計を見直したい、というSさん夫婦

 第2子の誕生を控え「今までのようなどんぶり勘定で暮らしていてはいけない」と思い家計相談に来たのだという会社員のSさん(40歳)。共働きで第2子妊娠中の妻(39歳)と小学1年生の長女の3人暮らしです。

 第2子がもうすぐ生まれることを意識し始めると、急に教育資金や自分たちの老後資金についても考えるようになり、家計をしっかりしてお金を貯めなくてはいけないという気持ちが強くなったのだそう。今は2馬力の収入があるけれど、妻が産休、育休に入れば収入が減るのは必須。その間のやりくりについても不安があるとのことでした。

 手取り収入は、夫が約51万円、妻が約27万円。収入はそれなりに多いですが、毎月の生活支出は約61万円と支出も大きい家計です。毎月の差額分は、自然と残っていたり、使ってしまったり。ただ、「将来のお金は作っておかなくちゃ」という気持ちはあり、数カ月前に本を真似ながら投資を始めていました。ただ、お金の使い方や投資の仕方を見ていると、「まあ、これでいいか」というようすが伝わってきます。

 おそらく今まで、お金を意識しなくても困らずにやってこれたのでしょう。お金に対して無頓着というか、関心が薄いところがあり、お金を貯めたいという言葉とは裏腹に貪欲さがなく、「本を真似していればなんとかなるだろう」という雰囲気を感じるのです。

10年で自然に580万円貯金ができた

 このような調子で、結婚後10年で貯まったお金は約580万円。自然にこれだけ貯まったそうですから、家計を見直して支出のメリハリを調整できれば、もっと貯められることでしょう。投資も「なんとなく」ではなく、きちんと考えて積み立てていければ、これから先の資産状況はかなり好転するだろうと思えます。それなのに実際には腰が重く、支出削減に向けてなかなか動き出そうとしません。

 格安スマホ、生命保険の見直しなどを提案してみましたが、実行するのを面倒くさがります。支出がふくらみがちな食費、医療費、理美容代などの変動費のコントロールを提案しても、「続けられない」「どうやって支出を減らせばいいのか分からない」という答え。せっかく家計相談をして変わりたいと思ったはずなのに、基本、他力本願なようすなのです。