生命保険会社に所属し、保険代理店の営業担当者という役割を担うソリシター。自社商品の販売をしてもらうためにさまざまな営業活動を行っているが、代理店側から見て役に立つソリシターと役に立たないソリシターとではどこが違うのか。本稿では、基本的な事項から考察する。(元金融庁監督局特別検査官 成島康宏)
役に立つ・役に立たない
ソリシターの存在意義
生命保険業界におけるソリシターとは、生保の代理店営業担当者のこと。多くの生保会社では、保険商品の販売を保険代理店に委託しており、その窓口となる仕事をしているのがソリシターです。自分が直接保険を顧客に販売するのではなく、保険代理店に自社商品を販売してもらうために営業を推進する役割を担っています。
自社の保険商品をよく知ってもらい、販売件数を伸ばすために代理店の募集人への商品研修や保全(アフターフォロー)の手伝いなど代理店のサポートが主な業務ですが、これまで取引がない代理店を新たに開拓することもソリシターの業務です。
保険会社による代理店への便宜供与が疑問視される一方で、代理店に便宜を与えることがソリシターの役割でもあります。よって、現場の最前線でつらい立場に立たされているソリシターもいることでしょう。
そこで本稿では、代理店側から見た「役に立つ・役に立たない」ソリシターや、代理店経営者と保険募集人がソリシターに望むことなど、ソリシターが押さえておくべき基本的な事項について論考します。そして、次回以降では、ソリシターのより詳細な実態に迫っていきたいと思います。