共働き夫婦も、妻が産休に入ればしばらくは無給になる

 奥さんが産休に入れば、一時的に無給になります。後に出産手当金がもらえるでしょうが、しばらくは貯金で家計の不足を補うことになり、貯金の目減りは必須です。育児休業に切り替わっても、はじめの6カ月は給与の67%ほどとなりますし、その後は50%となりますから、ご夫婦の収入だけでは毎月の生活費には足りない可能性もあります。すると、ますます貯金が減ってしまうことも考えられるのです。

 今ここで支出の改善をしておけば、Sさんが不安に思っている収入減にも耐えられるでしょうし、お金を将来に先送りできると、教育費の不安も、老後資金の心配も、かなり軽減されるでしょう。そのためには自分で動かなくてはなりません。しかし、将来のお金への危機感とは別に、なんとか暮らせてしまっている現状のおかげで、「もう少し後でも大丈夫」と本気になれないでいるように見えます。

 Sさんはこの先もしばらくは「何となく」の家計管理で、変わらず暮らしていけるでしょう。ですが、お子さんが大学に進学するとき、自分たちの老後が見えてきたとき、今の状況を後悔することになるのではないかと心配です。ほんの少し変わることができれば、将来は違うのですが、Sさんには、なかなか届かないようです。

 家計相談に来る人で、結果が出せない人には共通点があります。それは「他力本願」「きっと何とかなる」「今すぐじゃなくてもいい」という考え方に逃げがちなこと。結果を出したいと思うのであれば、「変わりたい」と自ら強く思い、行動に移すことが大切なのです。