仕事や人間関係…しんどいことが多い、という人にぜひ読んでもらいたいのが、「メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術」(わび著)だ。著者のわび氏は元幹部自衛官としてエリート街道をひた走っていたが、上司のパワハラと早朝深夜の激務が重なりメンタルダウン。復職を果たした後、「出世ばかりが人生ではない」「人に認められるためではなく、もっと楽しく生きたい」と思い、転職。現在は外資系企業の社員として活躍している。自衛隊などの社会人経験で身につけた仕事術、メンタルコントロール術についてツイートした内容が人気を集め、Twitterを開始して2年半でフォロワーは13万人を突破、10万超えいいねを連発し、ネットメディアにもたびたび取り上げられている。仕事・人間関係で生き抜く知恵が詰まった本書。今回は、発売を記念して特別に本文より一部抜粋、編集して紹介する。

【メンタルダウンから復活した元自衛官が語る】注意すべき「心の疲れ」のサインとは?Photo: Adobe Stock

全然寝られない、嫌な記憶がグルグル巡る…

メンタルダウンからある程度回復してわかったことは、心が疲れているサインは一気に表れるものではなく、徐々に表れてくることです。

「ごはんがおいしくない」から始まり、「休日は動きたくない」「布団に入っても全然寝られない」「嫌な記憶がグルグル巡る」「なぜか涙が出てくる」など、思考や体調がとにかく「普通」ではなくなっていきます。

そして、ついには「死ぬという選択肢」が出てきます。

この選択肢は、最初はあくまで選択肢のひとつでしかないのですが、メンタルがおかしくなるにつれて、他の選択肢が消えていくなか、最後まで残り続けます。たぶん、これが自殺だと思っています。

また、メンタルダウンした人が仕事に復帰する際に、「通勤訓練」をすることがあります。

私も復帰するときに通勤訓練をしたのですが、自宅から職場まで移動して一定時間を過ごすだけなのに、これが難関でした。

パワハラを受けにいく道として脳に刻まれているので、体が震えて進めなくなるんです。

メンタルダウン前後の異常は、本当に危険です。そして、その異常は足かせのようになかなか外れません。

大事なのは、自分の心身の状態を常に把握しておくこと、そしてメンタル疾患に陥らないための予防と早めに回復をはかることです。つまり、最悪の状態にならないようにするのです。