「Nice to meet you」、メールのみの場合は何と書く?コロナ禍で使える便利な表現「meet」と「see」の違いは? Photo:Shannon Fagan/gettyimages

ダライ・ラマ、ビル・ゲイツ、デビッド・ベッカム、オードリー・タンなどの同時通訳を務めてきた田中慶子さんが、日常やビジネスで役立つ「生きた英語」をやさしく解説! たとえば、同僚などから紹介を受け、新規の取引先に初めてあいさつをする場合、相手が目の前にいるのであれば、「Nice to meet you」と言えばいいでしょう。では、メール上では何と書けばよいのでしょうか?(同時通訳者 田中慶子)

学校の英語の授業で習った表現が
通用しない場面が多々ある

「担当者におつなぎします」「部下から連絡させます」のようなコミュニケーションは、日本でもほかの国でも日常的な出来事です。

 そのようにして紹介を受け、たとえば新規の取引先に初めてあいさつをするとします。相手が目の前にいるのであれば、「Nice to meet you」(お会いできてうれしいです)と言えばいいでしょう。では、メール上では何と書けばよいのでしょうか? 直接会うのではなく、メールやチャットなどで誰かを紹介される――。コロナ禍によって、こうしたケースは世界中で急激に増えているはずです。

 その前に、認識しておかなければならないことがあります。それは、「学校の英語の授業で習ったシンプルな言葉や表現が、実際の英語を使ったコミュニケーションにおいては、意外と通用しない場面が時々ある」ということです。

 たとえば先ほどの「Nice to meet you」という表現。人に会ったときのあいさつとして習ったと思います。「会う」という意味の「meet」を使った表現ですね。

 私が学生時、アメリカに住み始めて間もない頃のことです。街でクラスメートに偶然会ったので、「Nice to meet you」と伝えると、「僕のこと覚えてないの?」と笑われてしまいました。

「思わぬ場所で会えてうれしい!」という気持ちを伝えたかったのですが、どうやらこの表現の使い方が適切ではなかったようです。