知られざる【観世音菩薩】と【大日如来】の御利益

【観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)】は「菩薩」、【大日如来(だいにちにょらい)】は「如来」。

 これは悟りによる位の違いを表していますが、人間にとってどちらも尊い存在です。

 【観世音菩薩】と【大日如来】の関係性は、胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)にあります。

 胎蔵界曼荼羅は12の「院」という区角から成り立っています。

 中台八葉院(ちゅうだいはちよういん)という「院」の中に、【大日如来】を中心に囲むように、8枚の蓮の花弁に乗った四如来と四菩薩が描かれていますが、その中の四菩薩の中に【観世音菩薩】が描かれています。

 この関係性は、慈愛を表す胎蔵界曼荼羅において、【大日如来】と観音様の深い信頼感を表しているものと感じます。

 胎蔵界曼荼羅は密教のものですが、観音様は天台宗や浄土宗、浄土真宗などからもとても大切にされていて、浄土系仏教(宗派)の御本尊である、阿弥陀如来像の脇侍(きょうじ)として、勢至菩薩(せいしぼさつ)とともに置かれています。

 阿弥陀如来の慈愛(観音)と智慧(勢至)を表しています。

 そして、観音様はどんな形であっても、「慈愛」の象徴としてそこにいらっしゃるのですね。

【観世音菩薩】から【大日如来】を意識して見ると、どんな御利益がありそうでしょうか。