気力がわかない、疲れが取れない、病院で検査しても理由がわからない――。そんな原因不明の体の不調に悩まされていませんか?それは、もしかしたら自律神経の乱れによるものかもしれません。そこで今回は、順天堂大学医学部の小林弘幸教授の著書『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(日本文芸社)から、なぜ自律神経が乱れると体調やメンタルに影響が出るのかを紹介します。
病院に行っても解決しない謎の不調の正体
原因は自律神経の乱れにあり
「なんとなく気分が沈む」「何をするにも億劫(おっくう)に感じる」「ついイライラして怒りっぽくなる」……。忙しい日々に追われていると、そんな心の不調を感じる場面が数多くあります。ほかにも、めまいや頭痛、動悸(どうき)、肩こり、腰痛、冷えやむくみ、不眠といった不快な身体症状に悩まされている人も少なくないでしょう。病院で詳しく検査をしても特に原因が見つからない場合、これらの症状は「疲れ」として一括(ひとくく)りにされてしまいがちです。
しかし、疲れにも対処の必要な疲れと、そうでない疲れがあります。趣味のスポーツで思いきり体を動かした後に感じる心地よい疲労感は、体にとってプラスになる疲れといえます。一方で、仕事や人間関係で強いストレスを受けると、たとえ肉体を酷使していなくても体がずっしりと重くなるような酷(ひど)い疲れを感じることがあります。問題となるのはこうした不快な症状を伴う疲れです。