「仕事がおもしろくない」「上司にうんざり」「もう会社を辞めたい!」
そんな思いが少しでもあるなら参考にしたいのが、92歳にして、現役総務課長としてバリバリ働いている玉置泰子さんの著書
『92歳 総務課長の教え』だ。
ベストセラー作家・本田健氏も絶賛する泰子さんの教えは、新入社員からベテラン社員まで即役立つ、説得力あふれる教訓が満載。「世界最高齢の総務部員」として、ギネス世界記録に認定された泰子さんが、長く幸せに働く63の秘訣を手とり足とり教えてくれる。

※本稿は、『92歳 総務課長の教え』より一部を抜粋・編集したものです。

【92歳の現役総務課長が教える】勤続66年の世界最高齢の総務部員が新人時代から続けているたった1つの習慣鳴田小夜子(KOGUMA OFFICE)

職場の会話に挨拶のフレーズを加える

私は、いつもの会話に挨拶の言葉をつけ足すようにしています。それは新人時代から変わらない習慣です。とくに大事にしているのは、朝いちばんの挨拶です。

昨日頼まれていた書類を、朝イチで直属の上司に持っていくとしましょう。そのとき私は、「書類ができました」という報告の前に、「おはようございます」という挨拶を、目を見ながらつけ足すようにしているのです。このちょっとした習慣が相手の気持ちを和らげて、コミュニケーションを良好にしてくれます。

目を見て挨拶をされて、挨拶を返さない人はいないでしょう。そこでおのずと、一つのコミュニケーションが成立します。

挨拶を交わすだけでホッとひと息つける

朝からパソコンとにらめっこしながら忙しく働いている上司は、「書類ができました」とだけ声をかけても、「ありがとう」と返事をするだけで、話が終わってしまうかもしれません。そのままだと、上司は目の前の仕事にかまけて、あなたの書類に目を通すのがずいぶん後まわしになってしまう恐れもあります。そこに「おはようございます」という挨拶を加えるだけで、化学変化のようなものが起こるのです。

忙しくて朝から心の余裕がなかった上司も、「おはようございます」という部下の挨拶を聞くと、反射的にパソコンの画面から顔を上げて目を合わせます。「おはようさん、昨日頼んだ書類やね。早く仕上げてくれて、ありがとう」などと、心の通った言葉をかけてくれるでしょう。

朝から忙しく気を張っていた上司も、何気ない挨拶を交わすだけでも呼吸が深くなり、ホッとひと息つけることでしょう。さらに依頼していた書類にも注意が向くでしょうから、関連している仕事がスムーズに進むことも考えられます。

挨拶をするといい科学的裏づけ

挨拶の習慣は、相手ばかりではなく、自分にもプラスの作用をもたらしてくれます。挨拶を交わすと、挨拶をした側もされた側も、ホッコリした気持ちになります。それは多くの人が経験していることでしょう。

これには、科学的な裏づけがあるようです。人と人が触れ合うと、“幸せホルモン”が分泌されるのだとか。そのホルモンには「オキシトシン」という名前がついており、日常のストレスを和らげてくれる作用があるそうなのです。このオキシトシンがたっぷり分泌されると、信頼関係も深まるそうです。

ですから、上司だけでなく、会社のみんなに挨拶のフレーズを交えて会話をするべきだと思っています。

※本稿は、『92歳 総務課長の教え』より一部を抜粋・編集したものです。