ハイ・イールド債ETFとは、
利回りが高く、信用格付が低い債券のこと
ここで、本章でご紹介したハイ・イールド債ETFを使って、さらに分散してみます。
ハイ・イールド債とは、利回りが高く、信用格付が低い債券のことです。
5 バンガード・米国トータル債券市場ETF……50%
6 バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(米ドルヘッジあり)……30%
7 バンガード・米ドル建て新興国政府債券ETF……10%
18 SPDR ブルームバーグ・バークレイズ・ハイ・イールド債券 ETF……10%
このようにハイ・イールド債ETFを10%組み入れるだけで、ポートフォリオは「国債42.1%」「社債&ハイ・イールド債41.0%」「証券化債券8.1%」「地方債0.5%」「その他8.3%」という構成比になります【上図表の下段】。
【下図表】は、4本の債券ETFを組み合わせることでポートフォリオ全体の格付の内訳が、どのように変化するかを示したものです。
このポートフォリオの加重平均信託報酬は、0.1065%です。
コストは少々上がりますが、新興国債券はもちろんハイ・イールド債券も組み入れることにより、「もう少しリスクをとって利回りを上げたい」というニーズに合う、より分散の効いた運用が可能になります。
モーニングスター株式会社 代表取締役社長
1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、95年米国イリノイ大学経営学修士号取得(MBA)。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立、および上場準備を担当。98年モーニングスター株式会社設立に参画し、2004年より現職。第三者投信評価機関の代表として、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。
主な著書に、『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』『全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと』『つみたてNISAはこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』(以上、ダイヤモンド社)、『iDeCoで自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『お金の未来年表』(SB新書)などがある。