才能は不要。
誰でも、世の中をアッと言わせる商品をつくれるようになる
――著者からのメッセージ

私はこれまでの30年余りで、チューハイ「氷結」、クラフトビールの先駆けとなった「スプリングバレーブルワリー」、発泡酒の「麒麟淡麗〈生〉」、世界初のアルコール0.00%ビール「キリンフリー」などを手掛けてきました。幸いにも数多くの大ヒット商品に恵まれ、その総売上は、およそ9兆円となっています。

これまで、独自のマーケティング理論や法則をまとめたことはありませんでした。しかし、実はこれらの商品には共通点があります。「まだ見ぬ市場をつくった」商品であること。競合商品の追随ではなく、圧倒的なオリジナリティで、新たな市場を生み出してきたこと。これこそが、大ヒット商品を連発してきた秘訣です。

悪い企画書の例。いったい、どこがよくないのか?

本書では、「市場を切り拓く商品のつくり方」を若手からベテランまで誰でも今日からすぐに実践できるよう一冊にまとめました。

市場をつくる骨太な商品の24の技法を、4つのパートに分けて説明します。「淡麗」や「氷結」などの成功事例だけを紹介するだけでなく、売れなかった商品のどこがダメだったのか、どう考えればよかったのかの失敗事例の分析までも徹底的に解説しました。さらに、発売に至らなかったボツ企画の直筆メモまで掲載しています。

誰でも、ヒット商品はつくれる!

これらはすべて、ダメ社員から抜け出し「ヒットメーカー」と呼ばれるようになるまで、日々工夫し、実践してきたやり方です。地頭が良いとか、いま仕事ができるとか、そんなものはたいして関係ありません。大事なのは、どれだけ「良い商品をつくりたい」「より良い未来を届けたい」と考え抜くかです。

誰でもいつか必ず、良い商品、ヒット商品、ロングセラーがつくれる。それどころか、より大きな新しい市場だってつくれると、私は信じています。

それではさっそく、社会を、未来をより良いものに変える商品づくりを始めましょう!

本書の主な内容――商品づくり24の技法

第1章 未来の市場のド真ん中を射貫け
1 商品づくりは、市場づくりだ
2 未来を先取る構想づくり――「淡麗」「キリンフリー」のケース
3 ロングセラーをつくる2つのアプローチ
4 マイミッションを起点に
5 何度も問い直す商品づくり「3つの質問」
6 5W1Hではなく「1W+4W1H」で考える

第2章 「偶然のひらめき」を呼び込む習慣
7 アイディアは「セレンディピティ」で爆発する
8 インプット、インプット、とにかくインプット
9 ひらめきを呼ぶ5つの「ユリイカ!」モーメント
10 大きな変化と先行市場を探す
11 骨太な商品には「愛」がある
12 「X人格」になりきる
13 想像力が飛躍するエクストリーム発想術

第3章 企画書で商品は磨かれる
14 まずは、自分に向けた企画書を
15 書き始めるための5つの秘策
16 企画の7つ道具
17 真っ白な紙に、まず1行
18 アイディアを結晶化し、磨く

第4章 純度を保ちながら、化学反応を起こす
19 チームを企みに巻き込む
20 チームをまとめる言葉をつくる
21 組織の壁を突破する「提案書」
22 最強の商品は才能のかけ算で生まれる
23 ファンさえも商品づくりに巻き込む
24 ヒットで安心しない