大学2022_劇変の序列・入試・就職#4Photo:PIXTA

2021年入試から始まった「総合型選抜入試」(旧AO入試)。個々の大学が「求める学生像」に合った受験生を選抜する、高校の校長の推薦不要の入試方式だ。国立大学の7割超、私立大学の9割近くで導入され、一般選抜などと並ぶ大学入試の新たな柱になっている。偏差値という目安がない総合型選抜の志望校選びや合格を勝ち取るにはどうしたらよいのか?特集『大学2022 劇変の序列・入試・就職』(全24回)の#4では、その戦略とノウハウをプロが伝授する。評定平均3.1で慶應義塾大学、評定平均2.0で立命館大学に合格するための独特のコツとは。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)

評定平均3.1で慶應、2.0で立命館に合格!
総合型選抜で一発逆転する独特のコツ

「総合型選抜入試は、例えるなら入試というよりも『就職活動』に近い」――。

 大学受験予備校、早稲田塾の中川敏和執行役員はこう話す。2021年入試から始まった総合型選抜入試(旧AO入試)は、出願書類や面接、小論文などの試験を通して大学・学部が求める学生像(アドミッションポリシー)に一致する受験生を選抜する入学試験で、高校の校長の推薦を必要とせず、自薦で受けることが特徴だ。

 その出願の際に、志望理由書や資格証明の提出が求められるほか、面接でも入学後に学びたいことを聞かれるなど、企業の就職活動のようなプロセスを踏む。総合型選抜は、「従来のペーパー入試ではできなかった、人物重視・多面評価の入試」(中川氏)なのだ。

 この総合型選抜は目下、急拡大を続けている。下図を見てほしい。大学入学共通テスト(20年までは大学入試センター試験)の志願者数は、18歳人口の減少もあって右肩下がりなのに対し、総合型選抜(20年まではAO入試)の志願者数は増加傾向だ。もはや、入試において“王道”の一つといえる。

評定平均3.1でも慶應に合格できる
総合型選抜のオススメ大学とは?

 従来、推薦入試といえば、学校推薦が中心で「学校の成績が良くないと受からない」といったイメージを持たれがちだった。しかし、「大学が求めている人物像に合っていれば、評定平均が低くても早慶(早稲田大学・慶應義塾大学)やMARCH(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)など難関と呼ばれる大学に入れる。評定平均3.1で慶應大に合格した生徒や、評定平均2.0で立命館大学に合格した生徒もいる」(総合型選抜専門塾、AOIの小澤忠代表)という。学校の成績がいまひとつでも難関校合格は十分可能なのだ。

 では、総合型選抜を勝ち抜くには、どうすればよいのか。次ページでは、まず評定平均別の「狙い目」大学リストを紹介するとともに、出願資格に評定平均を必要としない“一発逆転”可能な大学一覧を公開しよう。

 もちろん、“一発逆転”には独特のコツが必要となる。小論文や面接対策についても、総合型選抜受験指導のプロのアドバイスを、大学ごとにふんだんに盛り込んでいる。ぜひ役立ててほしい。