証券会社の担当者と上司に伝えた
「高齢の母に営業勧誘は一切しないで」

 筆者が行ったことは二つだ。

 一つは、母と一緒に証券会社を訪ねて、母の担当者とその上司に、「母はもう高齢なので、今後一切営業勧誘はしないでほしい」との意向を伝えたことだ。これは、高齢の親御さんが証券会社や銀行と取引している場合には「ぜひとも必要な手続き」だと思う。親御さんの持っている金融商品を見ると、そう思う人が少ないはずだ。

 もう一つは、金融資産の組み替えだ。これは筆者が何冊も書いた書籍で言っているように、内外の株式のインデックスファンドと個人向け国債変動金利型10年満期の組み合わせが「無難」で「ほったらかし」にできるので、そのようにした。

 ただし、対面営業の証券会社の支店では、手数料が安いインデックスファンドを取り扱っていない場合が多い。筆者と母が訪ねた証券会社の支店もそうだったので、インデックスファンドは上場投資信託(ETF)で行うことにした。株式の売買と同様の手数料が掛かるが、ETFは運用管理費用(信託報酬)の安いものを選ぶことができるので、投資のコストを小さく抑えることができる。

 なお、今なら内外株式に分散投資せずとも、全世界株式(含む日本株)のインデックスファンド1本でいいと思う。大手ネット証券で投資信託を買えるなら「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)上場投資信託」ないし、これに近い商品がいい。対面営業の証券会社で投資商品を選ぶならETFで「MAXIS上場投資信託全世界株式(オールカントリー)」(銘柄コード2559)などを選ぶといいだろう。

 母のポートフォリオは、5年前に組み替えて、その後今日まで「ほったらかし」の状態にある。そして、幸い母は元気だ。希望も含めて言うと母は長命だろうし、今後それなりにお金も掛かる。子どもたちに大したお金は残ると思えないが、「2世代運用」は今のところ順調だ。