アベガーの次は「分断ガー」誕生でも、日本の分断は昔よりマシである理由写真はイメージです Photo:123RF

「分断を深めたのは安倍元首相だ」と言えば言うほど分断が進む

 「安倍ガー」のお次は「分断ガー」ということらしい。

 安倍晋三元首相の「国葬」に反対するマスコミ、野党、有名人の多くは、反対の理由として「社会の分断を深める」ことを挙げている。例えば、こんな感じである。

●<社説>安倍氏「国葬」 国民の分断を懸念する(東京新聞7月20日)
●『国葬』に踏み切ることは、国民の分断につながりかねないと懸念しています(辻元清美氏談 中日スポーツ、7月16日
●国葬にするかどうかという議論をすること自体が、分断しか生んでいない(ロザン宇治原史規氏談 スポニチ、7月19日

 さらにSNSなどでは、「日本の分断を深めたのは安倍元首相だ」として、そんな人物を国葬にすることで、さらに日本の分断が進行してしまうなどと強い危機感を抱く人たちもいる。「分断を防いで国がひとつにまとまるためには安倍元首相の国葬を阻止すべき」と反対運動を呼びかける人もいらっしゃる。

 つまり、これまでは、日本で起きているあらゆる問題は安倍元首相の責任だと主張する、いわゆる「アベガー」と揶揄される人たちがいた。そんな方々が、安倍元首相の死を受けて、日本のあらゆる問題は「社会の分断」が原因だと主張する「分断ガー」ともいうべき人々へとアップデートしているような印象なのだ。

 もちろん、日本は言論の自由があるので、「社会の分断」が問題と思っているのならそれを声高に叫ぶこと自体はまったく問題ない。今の内閣総理大臣・岸田文雄氏も前々回の総裁選のキャッチコピーは「分断から協調へ」だった。

 ただ、そういう主張をするにしても、「安倍元首相が日本の分断を深めた」的なことを触れ回るのはちょっと考えた方がいい。故人の名誉を著しく毀損するデタラメだし、こういうことを言えば言うほど、「社会の分断」が深まっていくことになるからだ。