8月の風物詩、甲子園。海外の野球関係者の中には「こんな過酷な環境で、高校生に野球をやらせるのか」と疑問を呈する者もいる。メジャーを知る小宮山悟は、この批判の意味を理解しながらも、甲子園の良さを感じている。夏の甲子園と同じ頃、新潟では早大野球部が合宿に入る。春季リーグで5位に終わった早大は、秋季に向けて巻き返しを誓う。(作家 須藤靖貴)
夏の風物詩・甲子園
小宮山監督も注目
全国高校野球選手権大会が始まる。日本の盛夏、8月の風物詩、甲子園である。
感染拡大による不穏な空気の収まらぬ中、しかも連日の猛暑。それでも球児たちは高校野球の聖地で躍動する。
早稲田大学野球部・小宮山悟監督もそんな球児たちに注目している。勧誘のアンテナを張るという理由ももちろんあるのだろうが、日々の鍛錬を経て地方大会を勝ち抜いてきた精鋭たちのプレーぶりを見たいのだ。新型コロナだろうが猛暑だろうが、彼らは甲子園出場を目標に頑張ってきた。「今」を必死で生きている。まさに「一球入魂」。早稲田野球の原点の精神に通底する。
1998年の甲子園で「松坂旋風」
外国人選手からは批判も
夏の甲子園の話題が聞こえてくると、小宮山には思い出すことがある。
1998年の夏。千葉ロッテマリーンズにいたときのエピソードだ。